ゆめなかにて/秋葉竹
るまのヘッドライトが
むかし生きていた真夜中をふと想い出させる
絶対負けない戦士になるぜ、って
ね、ミイちゃん
こどくなピエロになってでも
悪魔のちからを崇拝しても
いままでなんどか死にかけて
ただ助かっただけのこれまでだったが
オレンジ色のモノレールが
音も無く走るEXPOからつづく
朝になれば消えそうな満月に追いつく
どこへも逃げ場のない観覧車
あとからあとからあおきな声で
「早く、かえっておいで」
夢をみた
まだ子どものころだった
そこには万国博覧会があり
みたこともない未来が
そこにはあったんだ
夢をみた
そのとき
「生きてくことって悪くはないかな」
なんて
泣いてる夢。
こんどはあなたがいうんだよ、
ね、ミイちゃん
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