羊たちの叫び/鏡文志
 
年は大人になり、矛盾だらけの世界を生き延びました。
時々考えそうになると、テレビを眺めアイスクリームを舐めて、精神科医に相談し、ラジオをつけて、音楽を聴き、学校に行って先生の言ったことを思い出し、言われていることを聞けばいいんだと思い、それを信じてはいけないと言った人の話を思い出し、とにかく明るく真面目に生きていけばいいんだと規則正しさと礼儀正しさ、健康的で文化的な最低限度の生活を送り、時々おかしいと思うとネットの陰謀論を見て笑っている。
「僕を考えなくさせて欲しい、僕を考えなくさせて欲しい。そうすれば貴方の言うことをなんでも聞きます。精一杯リスペクトします。先生と崇めます。師匠と崇めます。下
[次のページ]
戻る   Point(4)