真夜中には哀歌を、不吉な目覚めには朝の光を/ホロウ・シカエルボク
わり、この国じゃ遺伝子的に、医術の範疇ではないロボトミー手術が繰り返し行われている、ハーメルンの笛やレミングの大量自殺を例に挙げるまでもないよね?ほんの一瞬、金属パイプの歌が途切れた、この瞬間をどんなことに使おうかと悩んでいるうちにそれはまた再び始まった(昔こんな夢を見たことがあるような気がする)、眠りたいだけの俺はただ、釈然としない現実を押し付けられて、ベッドの上で脱力している…抗うことを止め、リラックスして待っていれば、いつの間にかそれはおさまっているかもしれない、なんて風に考えた、歯痛や、腹痛と同じような感じで―同じ時が続き過ぎて逆に、時が止まっているのではないかと思えた、遮光カーテンを閉め
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)