周回軌道/涙(ルイ)
ずっと抜け道をみつけた気になっていたけれど
うまく壁を越えられた気になっていたけれど
それはただ そんな気になっていただけで
実はずっと ただその巨大な壁の周辺を
ぐるぐる ぐるぐる
廻り歩いていただけだったということに
もしもあのとき 違う途を選択していたら
違う人生が待っていただろうか
いまよりもう少しマシなふうに生きられていただろうか
わたしは思う
たとえどんなに いまとは違う途を選択したとしたって
結局まわりまわって
いまいる同じ場所に辿り着いているじゃないかって
たとえば
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