周回軌道/涙(ルイ)
 
ところはないかしら
     ウロウロ ウロウロ 右往左往と立ち往生ばかり
     そのうちに抜けられそうな場所を見つけ出します
     良かった助かった
     高い壁をよじ登ることもしなくて済んで
     これで先へ進んで行くことができます
     できるはずです


     その巨大な壁をうまいこと回避できた気になって
     壁の向こうのその先へ
     進んで行けてるような気になって


     あるとき ふっと気づくのです
     眼前には 相変わらずあの巨大な壁が
     まるで嘲り笑うかのごとくに立ちはだかっていることに


[次のページ]
戻る   Point(2)