真夜中のゲーム/ホロウ・シカエルボク
ので大丈夫だろうと考えた、もしもの時はスマホのライトでも照らせばいい、どれほどの効果があるのかはわからないけれど、土を固め、木で周りを整えた長い階段を登っているうち、なんというか、ここがどこだかわからなくなった、何度も登ったことのある怪談なのに、その日初めて登っているような気がした、奇妙だな、と俺は思った、昼が夜になるだけでこんなに変わるものなのか、それとも、ただこんな時間帯だから肌で感じるものが違うというだけのことなのだろうか、考えてみたところで答えなど出るわけもなかった、解答を手にした司会進行役などここには居ないのだから、奇妙な声の鳥が鳴いていた、レコードの針飛びのような声で、短く、甲高い鳴声
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