真夜中のゲーム/ホロウ・シカエルボク
した、そういうものが立っているところは必ず少し温度が下がる、気分的なものかもしれない、オカルティックな理由があるのかもしれない、ただ単純に、石の塊が沢山置いてあるせいかもしれない、どれでもいいし、どれでなくても構わない、ただ俺はそういう場所はとても寒く感じる、と、それだけの話だ、そうだ、この山は墓地だらけだ、深夜の墓地散歩とでも洒落込もうじゃないか、俺は山登りをすることにした、車が通る坂道と、急な階段のどちらにしようかと悩んだが、階段を通ることにした、夜に外を歩くことはあるが、山に登ったことは一度もない、愉快な夜になりそうな気がした、灯りになるようなものは持っていなかったが、月が明るい夜だったので
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