泥炭地/ただのみきや
 


見えない 聞こえない

ことばと踊る化石の舌

ここは見渡すかぎり泥炭地

わたしはひと盛の貝塚

草は枯れ

白紙にうもれ

永の眠りの深みから

夢の層まで浮き上がり

ことばになった夢を見る

とても良い

太陽に酔い

虫たちは飛び回る

蒼深き架空の故郷


                (2024年12月1日)







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