はがねのしろ/りぃ
 
鋼の城は崩れ落ち
下敷きになった哀れな鳥と
夢で出会う少女は笑い
空は果て無き慟哭のように
此方をただただ見つめるのだ

この手に力があったなら
この鋼さえ折り曲げて
夢の中の少女の
今にも折れそうな細い腰を
こちらへ引き寄せて
そっと唇を重ねるのに

この足はもう使い物にならない
この目は光を受けつけない
こんな自分を誰も愛さない
自分で自分を愛してみても
その偽りから逃れられない

空と雲は流れて行く
海すら青く透き通るのに
未だ私は
この瓦礫の下敷きで

ただただ

夢の中の少女の青を飲み下す
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