シング・ア・ソング/ホロウ・シカエルボク
目の落ち窪んだ梟が窓際でエコー&ザ・バニーメンを口ずさんでいた、フレージングはイアン・マッカロクよりも古臭くて俺好みだった、冬の始まりの骨が凍るような晴れた午後、心境はブルースに制圧されていて、ものに溢れた部屋の中は今日日のトレンドからはかけ離れていた、一応整理してはあるが、どこに何があるかをひと目で把握するのは不可能に近かった、断捨離という考え方が好きではない、あれは自分の趣味趣向に何の責任も持たない人間のやることだ、雑誌は古くなればなるほど読み返す楽しみがあるし、しばらく聴くことがなかった音楽も歳を取ってから聴いてみると以前の印象とは違って聴こえたりする、最近聴いていないからとどこかに売っ
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