夢のなかの風景/秋葉竹
緑のバラを、想った
深緑の森や林の木々のなか
目立たない色で
保護色で
きっと
生命を長引かせるために
子々孫々繁栄させるために
種として生き延びるための
色として
生きるあかしの
緑のバラ
ふと、想った
それで、
バラである意味など
あるのだろうか?
と
真紅のバラや黄色いバラ
幻の青いバラや
あの紫のバラ
それらの
華やかさが
バラかバラとして生きる意味だとすれば
ほとんど
確信めいて
泣きそうになり
なんだか
やさしい眼差しを
かけてあげなくては
と
想った
緑のバラ
の
ありように
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