越冬/山人
九月末にカメムシ防除の消毒をしてもらうのだが、あいかわらず彼らはその予防線を突破し室内に入り込むのである。しかし、彼ら自体の悪臭と薬物の作用でほとんどの単体は家屋に侵入後絶命、若しくは瀕死の状態で仰向けに転がっている。サッシと網戸のすき間には死んだ(弱ってはいるが死んではいないもの多々いる)カメムシの死骸がびっしりとカオスとなっていて、それを筆の硬いもので掻き落としながら外に捲き散らかす。外では、カメムシの死骸の雨が降る。
妻考案のカメムシホイホイは画期的な道具だ。ペットボトルの七割から上部を切り取り、それを逆さにしてテープで粘着し、キッチン用のゴム手袋や古い割り箸などでその中にカメムシを投
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)