言葉憑き/ホロウ・シカエルボク
的にそんな連中に身体を与えていく、意味を持たせて、ワード画面の中に放り出す、意味はその前後に並べられたものと融合してそれまでにはなかった意味を作り出す、これは錬金術なんだ、物理的には不可能だろう、でも言葉の上でならそいつは可能なんだ、俺の純度はそこそこのものだと思うぜ、なんせ時間をかけて作り上げてきた手順というものがあるからね、頻度や速度、熱の扱い、これはひとつ間違えれば目も当てられない代物になる、結局のところ、本当に良いものを作り出すには初期衝動だけではどうしようもない、センスが良くたってノウハウがなければ息切れが早くなる、マラソンの特訓みたいなものだ、どんな呼吸がいいのか、どんな動き方が効果的
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