さいとういんこさんのお腹が大きい5月22日/いとう
いは
僕の詩が生きている場所について考える
どことつながっていて
どことつながっていないかについて考える
だからこんなの詩じゃないと思っている
詩と呼ばれなくたってかまわない
垂れ流しでけっこうだ
どこかで何かを
捨てたのか、落としたのか
最初から持っていなかったのか
それはよくわからないけれど
僕の魂の形について考えてみる
たぶん僕は今
とても恥ずかしいことをしている
魂の輪は消えない
消えるのではなくちぎれるのだ
ぶちっと
大きな音でちぎれて
その音は痛みとして感じることができる
誰もが
同様に
さいとういんこさんのお腹は大きい
大きく膨らんでいる
それは魂のつながりの証であり結実だ
さいとういんこさんの子供が大人になる頃
僕はもう59歳だ
それまで生きているかどうかわからない
生きているつもりもないし
自信もない
それどころか今
もう生きていないんじゃないかって
思うこともある
たぶんどこかで僕は
僕の知らないうちに
いなくなってしまったんだと思う
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