数式の庭。原型その2/田中宏輔
、数と記号と
その数と記号を定義するなにものかの意思と言葉をのぞくと
世界は空っぽなのか。
いや、世界はないのか。
いやいや、世界ではないのか。
もちろん
世界は空っぽではないだろう。
数でもなく、記号でもなく
その数や記号や
それらにまつわるもろもろのものをのぞいた
なにものかが存在するだろう。
その存在は確認できないものであるが
存在していることは直感的にわかる。
しかし、数や記号や
それらにまつわるものがなければ
この世界は存在しないのだろう。
この世界とは違った世界があるのかもしれないが
それは、この世界ではないのだろう。
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