数式の庭。原型その2/田中宏輔
 
みたかったのである。
書いてみると、可能性があるように思えると思ったからである。


*


「+という演算子のみのアスペクトが生じる可能性がある。 」
あるわけがない。
言葉を使わないで
言葉がつながることを示唆することができないように。
ただ
演算子の意味が強調されると
数の意味概念が後退させられるような気がしたのだった。
意味概念の後退とは
たとえば
2と3といった数の意味の輪郭であり
足すという演算のほうに意識が集中させられると
2でも3でも
あまり、その数自体に意味がなくなっていくということである。

2や3では
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