花/
 
刺さる
なんて
だめだ目に見えない事柄に捕えられてはいけない
ありきたりの小さな狂気から離れよう
何万回もの堂々巡りはもうよすんだ

今夜ボードウォークを歩かないか
波の音が染みてくるはずだから
全てが死んでしまっても
俺達は起きている
それを確かめるために抱きしめてくれないか
見せ掛けの星が揺らめく下で
見せ掛けのキスをくれ
そしたら俺はお前だけにうたを作る
そのくらい雨が降らないんだよ
なにもかもが散るんだ

ほらまた星の下で赤いさそりが燃えている
それなのに何も感じないんだ
鏡を哀れむだけで精一杯で祈ることを忘れた俺達に
花が凍るように泣いている

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