命のすべての闘いにおいて俺が語ることは/ホロウ・シカエルボク
 

じくじくと膿んだ傷の中に次の一行があった、指を指しこみ痛みに悲鳴を上げながらつまんで拾い上げると血で汚れてよく読めなかった、苛立って声を上げながらシャツの裾で拭くとどうにか読めるくらいにはなったのでワードに書き写した、それには続きがあるような気もしたし、そこで終わるのではないかという感じもあった、でもどちらがしっくりくるにせよ、詩そのものがどちらを求めているかということには案外関係がないものだ、次の一行を見つけなければならなかった、まだ同じところにあるだろうか?指をさっきよりも深く入れた、生暖かい感触が指先を包む、しかし立ち上って来る臭いは奇妙な冷たさを感じさせた、きっとそれは人間の体内の温度
[次のページ]
戻る   Point(4)