Season of Violence Author/おまる
声を震わす)
「おい見てみろ。どこぞの馬の骨かもわからんハリボテの船が闇夜に乗じて、あちらこちらから闖入しては一人心をときめかしてやがる。粋がりやがって」
「夜這いの決死隊だな、おい」
「けれども俺らが人のいないところを闇夜にうろうろとしても何の効果もない。せめてはマスコミの人たちに何ものかでもいってみようと拡声器で喚き散らしても連中、歯牙にもかけない」
「それでも懲りないのが俺らの取り柄よ」 (にぎやかしどもはそのあたりをさまよい、蠢いては、夜を明かし日を送る)
所詮は烏合の衆。大半はそのうち望めぬものならば無用にうろつき回るのもツマランと、思い返して来なくなった。
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