Season of Violence Author/おまる
 
、誰も彼のことなんか、はなから相手にしていないのであった。 石摩羅はこの一件以来、マスコミに引っ張りだこになって、ゴキゲンなのであった。 やれ「国民の国防意識を根底から揺るがせた」だの「中国とも戦争辞さず」だの、例の華々しい石摩羅節に愚民は酔いしれた。日本人の好む一種の向う見ずというのもあいまって、威勢のいいことこの上なし!日本一調子に乗っていたのである。

島めぐる争いはというと。 水面下のところで、戦いはだんだんヤバい、、、あまりにヤバいことになってきた。 ひと月も経った頃には、海には片時も静かな時は訪れず。 海上自衛隊と中国軍の巡視船、戦闘機、のみならず政治団体の活動家が乗り込んだ漁船、
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