モノローグ・ギャングの照準/ホロウ・シカエルボク
ないやつなんかお呼びじゃないんだよ、まったく、訊いてもいないのに勝手にドアを開けて上がり込んできて喋り倒しやがる、俺に出来ることは押し出してドアを閉めることぐらいさ、単純な話じゃないんだ、もの凄く複雑なプロセスを同時にいくつも進行させてこんな文章は出来上がるんだ、俺はね、混沌は混沌のまま差し出すのがシンプルだと思ってる、それは俺が唯一確信している事柄だと思う、そりゃそうさ、混沌は混沌でしか在り得ない、逆に言えば、混沌の中にはすべてがあるんだよ、だから俺は混沌に惹かれるのさ、詩はもっとも自由に出来る自己表現の頂点だと思う、書いている人間の数だけ真実とルールがある、そして誰もそれに異議を唱えたりしない
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)