ずっと好きでいられますよう/由比良 倖
 
とりが自分で見付けるしかない。それが多難であっても、あらゆる理屈や概念を超えて、これこそが自分の感情だという疑いようのない何かに到達すること。結局はそれが、一番幸せなことなんじゃないかと思う。

 ただ楽になることではなくて、いろいろなものを直感的に、あるいはとても時間を掛けて知ること、好きになること、焦らずに、深く感じて、知ろうと意識し続けること。簡単に結論を出さないこと。多分、それが人生では一番大事なことだと思う。それはそして、自分を知ることにも密接に関係している。

 何ごとも自分なりにしか知れないのだから、知ることには全て個性が関わっている。「物のあわれ」論っていうのは、世界を知り
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