自戒/フユキヱリカ
 

あなたが怖かった

ことばは、終わりを
告げるものでしかなく
不信の上にある燈が
キャンドルみたいねと謂うから
クリスマスみたいですね、と
鵜呑みして腹ばかり膨らんでいた


愛されたい故に
口の中の砂を吐き出し
脱げ落ちた
片方の靴は、犬にくれてやった


彷徨する雲を
部屋から眺めて
不実にも懐を濡らす
光さえ届かない
花冷えの夜

泣きたくなる程
あなたはやさしかった



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