自戒/フユキヱリカ
 


眠りたい太陽は
徂徠する雲に翳り
口を得れば脚を失うだろう
無理に開いた胸には

寛容ねと謂う
君の眼差しに
愚鈍さを隠せずに朽葉色に染まり
消してあげる 蝋燭を
口角に気付かぬふりをして

あたし、は
少女でいたかった

無罪を唱えるには
遅過ぎる

かざした手は赤い
君の清らかさ
苦しみから救い出して
喧騒は吐息のような
今宵の雪




 
何故だかひどく
喉が渇いて
キッチンの蛇口に唇を
染み渡らす

そのうち溢れだした水は
ポタン ポタンと
シンクを打って
枯渇を知らない湖をつくる

本当の事をいうと
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