我慢知らず大国ニッポン/鏡文志
 
理人に『大衆と庶民』の違いが分からない両親の愚痴を呟く
「コロナワクチンで沢山の人が死んでいる」
と、公共の電波が公式に放送しても
人々が振り翳したい言論の自由は『今日食べた昼食のランチの感想』と『同じ職場にいる人間への不満』
コンサートに行かなくてもなんでも見れるし、聴けるから
舞台やステージ衣装に関わる人が職を失っても知ったことではなく
雨が降り雷が鳴っても天からの怒りと自らを顧みることはなく
TVSNS情報で叩きやすい人間が出てくると、正気を失ったように騒ぎ立て怒り
働いて飯が食える自らの幸福には思い至らない
遊園地へ行けば若者達が恋愛に浮かれ
特大のコーラとコンドームが、設置された公共トイレのゴミ箱に捨てられる
「戦争へ行きたくないから、平和がいい」
と人々は言うけれど
いざ危機が迫れば、平和の誓いも直ぐにかなぐり捨てるであろう

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