夜明け前の雷雨/山人
たしか午前一時半ごろであっただろうか、稲光りとともに強い雨と強烈な尿意で目が覚めた。
昨晩は客の膳が遅くなり、床に入ったのは八時半ごろであった。まさか一時半から起きるわけにもいかず、少しでも眠れればと願いながら。それでも数時間眠ることができた。
釣り客も禁漁前の駆け込みで、数は少ないがぽつぽつと続いている。その度に食材調達や雑用が強いられるが、勤務にも支障が出てくる。どっちつかず、といった具合で、花から花へと渡りゆく昆虫のようでもある。
登山道除草は十六日に某山岳を終了させ、引き続き最後の山塊へと下りながら作業を進め帰路に着いた。一時刈払い機の不具合に悩まされ、困惑したが運良く対処で
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