指先の足跡/ホロウ・シカエルボク
学習的に模倣的に指先を動かす―多分そこにフィジカルはあまり関わっていないんだと思うんだ、俺は肉体と精神のすべての領域でバランスが取れるように書いている、どこかでいつもそれを意識している、詩というのは俺にとっちゃ心電図みたいなもんなんだ、これだけの脈を打っている、これだけの振動を起こしている、そういう生体活動の記録なのさ、だからどれが欠けても俺の詩とは言えない、だから俺は身体も整えている、身体が弛んでしまっては言葉が身体中を駆けることが出来ないからね、信号がどれだけ身体の中を駆け巡っているのかということを常に感じながら書かなければいけないのさ、だから俺はスプリントのように書いたり、マラソンのように書
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