白兎/秋葉竹
 
 

ほんとうのほんとうに
天国を信じてないひとなんて
いるんだろうか?

うちは
短命な家系で
父は私がもの心つくまえに
母も五十台前半で
姉も十年以上まえに亡くなっている

そのひとたちが
天国に行ってるなんて
想ったことはない

ひとも生物のはしくれ
猪がそうであるように
鹿がそうであるように
蝶がそうであるように
菊がそうであるように
松がそうであるように
牡丹がそうであるように
命を終えれば無になるのみだろう

ホモサピエンスといえども
命を終えれば無になるのだろう

だから私の周りにいたひとたちはみんな
無に帰って行ったのだと
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