なにかが寝床にやって来る/ホロウ・シカエルボク
 
んでいるのだ、まったく面倒臭えなと俺は思った、あの甲虫たちの立てる小さな乾いた音は、チック気味だったころのことをあれこれと思い出させた、ああ、あの虫たちは結局、俺から生まれたと理解しながらここで俺を食らい尽くそうとしていたのだ、気分はあまり良くなかった、俺は暗闇の部屋の中で一点を指差した、不自然な黒い影が壁に張り付いていた、逃げるなよ、と俺は言ったがあっという間にやつらは姿を眩ませてしまったのだ、壁掛けの時計は深夜一時を指していた、俺はもうどうでも良くなってベッドに横になった、きっと明日も目が覚めるだろうと信じて疑わなかった。


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