咲花とかえで/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
咲花は気合を入れ、普段とは全く違う真剣な顔つきになった。
試合に戻ると、騒ぎで空いた時間で熱中症対策の水分を補給したピッチャーはうまく気分転換が出来たようで、相手のバッターを手早く追い込んでいく。
――まだわからない!
咲花はさらに気を引き締め、打者の方向を見据える。
「バッターアウト!」
結局交代あるあるは起こらず、バッターはあえなく三振に終わり、自軍の攻撃に移った。
「ふう……」
とりあえず安堵し戻ると、咲花は負傷した先輩に声をかけ、そして監督の指示を仰ぎ準備に入った。打順は4番から、咲花の打順は8番なので三者凡退に終わればめぐってはこないが、先ほどのようなこともある。
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