(精神を安定させてくれる徒然書き)/「ま」の字
 
札幌の市街地は
徐々に西から山影に入ってゆく
ほら
人魚たちの棲息する台地のようじゃないか
あの
東市街地は
あかるい
薔薇色に浮かびゆき




  ここは
  穏やかな漁村のような集落だな
  道化や祭り人形のような扮装(なり)をした
  おれたちがゆくと
  壁に
  海老や蟹の影は
  静かに這いずって




 神宮宮下通りを抜け
 小さなお好み焼き屋の角を曲がれば

 荒海や

 (夏よ、まだら日のざわめく荒れ丘よ)




孤立して動かない
曇天だった

ああ
窓の外は
世界がはためく
精神が
ああ
[次のページ]
戻る   Point(4)