(精神を安定させてくれる徒然書き)/「ま」の字
札幌の市街地は
徐々に西から山影に入ってゆく
ほら
人魚たちの棲息する台地のようじゃないか
あの
東市街地は
あかるい
薔薇色に浮かびゆき
ここは
穏やかな漁村のような集落だな
道化や祭り人形のような扮装(なり)をした
おれたちがゆくと
壁に
海老や蟹の影は
静かに這いずって
神宮宮下通りを抜け
小さなお好み焼き屋の角を曲がれば
荒海や
(夏よ、まだら日のざわめく荒れ丘よ)
孤立して動かない
曇天だった
ああ
窓の外は
世界がはためく
精神が
ああ
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