百行詩。/田中宏輔
 
絶している
二十四行目は二十一行目も二十二行目も二十三行目も理解できない
二十五行目は二十四行目とともに二十二行目と二十三行目に待ちぼうけをくわせられている

二十六行目は二十七行目と目が合って一目ぼれした
二十七行目は二十八行目が二十六行目に恋をしていることに嫉妬している
二十八行目は二十七行目に傷つけられたことがある
二十九行目は二十八行目とむかし結婚していた
読むたびに三十行目がため息をつく

読むたびに三十一行目と三十行目が入れ替わる
三十二行目は三十三行目の医者である
三十三行目は三十二行目の患者である
三十四行目は三十五行目の入っている病院である
三十五行目
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