百行詩。/田中宏輔
が必要である
十一行目がわかれば十二行目がわかる
十二行目がわかっても十一行目はわからない
十三行目は十四行目を意味する
十四行目は読み終えるとつぎの行が十一行目にくる
十五行目はときどきほかの行のフリをする
十六行目は二通りに書くことができる
十七行目はただ一通りに書くことができる
十八行目は何通りにでも書くことができる
十九行目は書くことができない
二十行目は自分の位置をほかの行にとってかわられないかと思ってつねにビクビクしている
二十一行目は二十二行目とイデオロギー的に対立している
二十二行目は二十三行目と同盟を結んでいる
二十三行目は二十二行目と断絶し
[次のページ]
戻る 編 削 Point(13)