いつの日か、還る頃合いを待っていた ひとけのない停留所に 雨が、降っていた 行き先のないバスに、 いつもの場所で、ブザーを押さずに、 しらない土地へ、行ってみようと そんな風に、思った訳ではないけれど 窓硝子の、外の暗がりに通過する電灯を ただ、 ぼんやりと眺めていた 朝方になって、 見知らぬ町を歩いていて、 ふいに、知らない人に、道を尋ねられて 十字路の先を、なんとなく指さす