帯屋町アーケード街/北村 守通
 
小さくなったはずの町に
陽に焼かれて
色あせて
粉ふいたはずの町に

  ぱっと広がる
  顔
  顔
  顔
  ぱっと広がる
  顔
  顔
  顔

  反響してくる
  声
  声
  声
  わらい声

小さくなったはずの町は
小さくなっただけであって
エネルギー量が少なくなったとしても
表面積が少なくなった分
単位面積当たりの力は
強く
強く
強く

  活き活きと
  うごめいている
  活き活きと
  うごめいている

  私の知らない
  はるか向こうで
  今確かに
  生まれている
  反響して
  飛び回っている
  喜びが
  喜びが
  喜びが
  
  私を置いてきぼりにして
  飛び回っている

この町は
生きている
この町は
生きている
力強く
生きている
いき
いき
いき
いき
生きている
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