それでも私は山に向かう/山人
 
いから苦労する。水と梅干を補給する。水だけだと水分が体に入っていかない。まったりと山の景色でも眺める暇もなく、少し石を叩いたせいか切れ味がめっきり落ちてしまった刃を研磨する必要がある。自らの体に給水、刈払い機の給油、刃のメンテナンスをやり、ようやく腰を下ろすことができる。
 こんな過酷な条件下でハチの巣などに遭遇してしまえば、除ける術を持たない。刺されるがままだ。幸いこのエリアではまだ遭遇していないのが救いだ。
 無理をするなとよく言われる。でも無理するしかないという選択肢しか無ければ無理をするしかない。どこまでが無理でどこまで無理ではないのかという境界線については難しい。

 8月に4日
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