鴎とエゴサ/
秋葉竹
たりする
そして母の長い影も
懐かしさの密度なんて
だれにも伝わらないまま
ひとりでに時は
ただ過ぎてゆくのだろう
この身の、消滅に向かって
夜が集めてくれた寂しさを
読み、味わって、呑み込み、
エゴサでさらに寂しくなる
なにも詰め込んではいけない
空洞は
空洞のままでいい
空洞のまま
生きてゆくのがいい
この心の、消滅に向かって
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