噛みつきたいのなら牙をまず綺麗に研いでおくこと、そして迷いなく一気に食い込ませること。/ホロウ・シカエルボク
酷暑の最中だったが、脳髄に氷水が流し込まれているみたいに冷めていた、体温や体調のせいなんかじゃない、俺がそこにどんな感情をも持ち込むことが出来ないせいだ、必要最小限の自分への命令、下手糞な機械の模倣をしているような調子で時間が過ぎる、いや、いまさらそれにどんな文句もありはしない、どんな人間にも役割というようなものがある、それが自分にしっくりくるかこないかなどというのはまた別の話なのだ、そしておそらくだけど、どんな人間だって心のどこかで、これは違うんじゃないかと思いながら生きている、社会が奇妙なテンプレに満ちているのは、そんな違和感に気付かないように嘘をついているからだろう、わかってる、俺だって
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