東條英機。/田中宏輔
 
彼は/ひざをついて
靴ひもを結んでやった。                     *22

靴はいらないのよ。                       *23

彼は/山と/積もった/靴の山に/靴を投げつけた。        *24

木端微塵/地雷が/爆発した。                                            *25

森の周りに/地雷がある/地雷が仕掛けられている/それが森の境界だった。*26

足が、腕が、頭が/ちぎれてあたりに飛びちった。         *27

枝々に/血のしたたる/ちぎれた皮膚が/ぶら下がっていた。
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