綺麗に磨く/秋葉竹
揺れるカーテンの隙間からみえる
お墓のような世界
わたしたちは
真夏なのにエアコンに凍える
最新機種の間違ったマイナスイオンみたい
むらさき色の朝を映す窓に
じぶんの顔がうっすらと映る
遠く高いところに
精巧に創られた白馬の「流れ雲」を眺める
みあげることに
慣れてはいないので
急いで視線を落とす
夏の枯れ並木わきの歩道を進む
ひともまばらな静かな日傘を
ポツン
と
みおろす
その日傘に隠された影にはきっと
太陽よりも明るくて
やさしいしあわせが
綺麗に磨かれているだろう
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