チューニング・ライフ/ホロウ・シカエルボク
、思うに、彼らがそうしたことを一切したことがないのは、あらかじめ肯定されているせいなんだろうな、酷いデザインになった新札で金を払って喫茶店を出る、フレディの歌声みたいなドギツイ太陽が世界を照らし続けている、俺は顔をしかめながら歩く、一瞬のうちに吹き出る汗に閉口しながら…だけどどうしてだろうな、どんなにウンザリするような時だって、歩くことを止めようと思ったことは一度もないんだよな、もうすぐ無口な午後がやって来る、もう少し詩を書こうと思った、こんな日々でも確かに生きていたとそう感じられるように。
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