ひどくもろくみえずらくさわれないもの/あらい
 
入り口だというのに理るまでもなく、手順を通りすがりの流行りにのせ。脈の目撃者の凹みを緩衝するこの完全な密室では、またずいぶん人馴れしていて暮色の濃淡とほおずりする、宴席がある。

 どの少女も寝言なんて華やかな悪知恵だって
 とんと音は溶けて、瞬間の真ん中に転がりこむ

『詞先(しせん)の助手は台本と斎を留めた罪人の献花をはじめる』 

 碑が透る思惑は鉛の頭が引き起こします。


 またあなたは郵便受けから、かすかに若草の展望にひらかれた。浮世、ほのかにあふれる丘の靴音だけを期待し、踏み惑う木の葉と散り歩くこと。いくつもの水際を/視線を気にして/眼尻を決して。闇に湾曲し
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