俺は初期衝動を持ってる/ホロウ・シカエルボク
 

鼓動が意識の中で反響している、その響きは強過ぎてどれが最初の音なのか感じ取れないくらいだ、意味の無い疲労と焦燥の中で、その僅かな振動に糸口を見つけようとしていた、流れを変えるのはいつだってそういう感覚の操り方なのだ、それには形式が無い、むしろあってはならない、人間はしきたりやテキストによって生きるべきではない、意識は覗くくらいで止めておかなくてはならない、ぼんやりとそこになにがあるのか覗くだけでいい、集中などと言い始めるとまったく当り前のものではなくなってしまう、それでは装飾された現実となんら違いはない、見えるものをそのまま感じなければならない、ただ写し取っていれば必ずどこかで、それが持つ意味
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