生き方試験/涙(ルイ)
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眠れない夜
誰かの声が聴きたくて
ダイヤルをプッシュする117
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幸福なんて
喩えばマッチ売りの少女が視た幻影のようなものなのよ
手を伸ばした途端に跡形もなく消えてしまう
あとに残るは無残な燃えカスと凍え切った躰
誰に知られることもなく 雪が静かに降り積もる
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あなたにとっての本当と
あたしにとっての本当は違うんだと
今更ながら知った夜
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気にしてないってフリするのも キツイもんなんだぜ
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