寒い夜/秋葉竹
 
びるでもいいから
夜の栄養になるものなら
悲しみでもいいから。


夜は
いつだって
寒い。


いっしょうぶんの
カレンダーを
ゆっくりと
めくりたいな。


その寒さに
震えながら。



「あたたかい息で凍った夜をあたためたい」

そんなことを云って
孤独な人生を
とてもしずかに生きたひとは
そろそろ
「寒い夜」なんてうたを
歌いはじめても
よいかもしれないね
暗い青色の宇宙の成り立ちを
すこし寂しそうにそれでも
なんとかさがそうとしている
みたいな鉛色の正しさよりも純な声で。







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