渇いた夢/ホロウ・シカエルボク
 
始めてからの方がずっといろいろな言葉を聞かせてくれる、三階には鹿鳴館を思わせる内装の部屋があり、ソファーが円を描くように中心に向かって七つ並んでいた、長く降り積もった埃のせいですべてが酷くぼやけて見えた、巨大なオーディオ・システムのターンテーブルに乗せられたレコードのラベルは判別不可能なほどに剥げていた、もうすぐ西日に変わるだろう午後の陽射しが窓から忍び込んでいた、この時間の太陽がすべてを焼いてしまったのかもしれない、以前は分厚いカーテンで覆われていたのだろう、キャビネットに並んでいるレコードはどれもポップ・ソング以前の代物だった、ちゃんとしたオーケストラが、ちゃんとした感情を表現するために切磋琢
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