カラフル/秋葉竹
光りを失った灰色の瞳たちには
それだからなおさらに美しくみえて
むかしながく住んでいた街みたいに
想い出がゴロゴロと転がってる感じで
僕にはその大きめなガラクタが
手に余っていたことを云っておかなければ
公平に憧れるだけのただの卑怯者に
成り下がる真実も云っておかなければ
その頃に救ってくれた物語や詩歌に
凍らされた涙を拭ってくれた歌声に
ただ感謝を込めて浴びるそれらの光りには
いまなおその文字や音からは波動が流れ
僕のうす汚れてくたびれて萎んだ心を
まっさらでまっすぐにしてくれることを
はっきりと云っておかなければいけない
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