自殺には感覚的な痛みがない/由比良 倖
ぼくになにをしたって ノートに引っ張られて 僕は身体中の穴が痛んで
はて あなたが何を画策しようがそれはあなたが食べた朝の卵のその
……やだな三日月なんか見えるわけ無いじゃないですか
彼女が欲しがっていると思い牛の死体をあげた
「どうしてこれが欲しいって分かったの?」
「なに。君を見ていれば自然、わかることだよ」
「違うわ。私が欲しいのは『自分』よ。『自分』」
君が何を考えていようと 君がどちらの道を選ぼうと 君が僕を選ぼうと選ぶまいと
死者たちが光として降り注いでくる なあ
君 考えてることがばらばらだよ ほんとに 何食べてきたんです
ファズペダルを茹でたものに
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