自殺には感覚的な痛みがない/由比良 倖
 
ぼくになにをしたって ノートに引っ張られて 僕は身体中の穴が痛んで
はて あなたが何を画策しようがそれはあなたが食べた朝の卵のその
……やだな三日月なんか見えるわけ無いじゃないですか

彼女が欲しがっていると思い牛の死体をあげた
「どうしてこれが欲しいって分かったの?」
「なに。君を見ていれば自然、わかることだよ」
「違うわ。私が欲しいのは『自分』よ。『自分』」

君が何を考えていようと 君がどちらの道を選ぼうと 君が僕を選ぼうと選ぶまいと

死者たちが光として降り注いでくる なあ
君 考えてることがばらばらだよ ほんとに 何食べてきたんです
ファズペダルを茹でたものに 
[次のページ]
戻る   Point(2)