途轍もなく赤いキャンバスが垂れ流す言語/ホロウ・シカエルボク
 
がら死の淵を覗くということなのだ、霊体である自分自身の為に肉体である自分自身が脈を打つのだ、俺はその回路を開くために書き続けてきた、だけどそれを理解したのは、ある程度開くことが出来るようになってからなのさ、半生を賭けて俺はそれを会得し、理解したんだ、理論ではない、学問ではない、体感を繰り返して掴んだものだ、いわば行だ、それは真実の為の行ではない、それは悟りの為の行ではない、それは完成に至る為の行ではない、行の為の行なのだ、行い続けるための…行なのだ、始めたばかりのころは真実を得ようとしていた、それにまつわる、様々な欲望を同時に果たそうと目論んでいた、でもそんなことに結局意味はないのだと気付いて、俺
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