夏の虹のうた/秋葉竹
梅雨が明けてもあたしたちは
その雨が降って来るのを空をみあげ
今日こそ虹をみるんだとぼんやり待っていた
そのときこそありがとうと云えるという
溶け始めたグラスの氷みたいな嘘を
溶かさないように気をつかいながら
だれもいない夏の青空に向かって
乾いた風が吹くこの街の風紋は
だれにもみえないみたい君以外には
夏の太陽みたいに明るく光る君の言葉に
ありえないほどのやさしさを感じて
いつまでだって待っていられる気分は上々
嘘は嫌いじゃないがこれは嘘じゃないって
この青空の下でだけは見逃さないで
これだけは強くなってまっすぐ見栄
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